山根 浩二

開拓精神は道産子の持ち味

山根 浩二
(機械工学科第12期、西暦1980年卒)
白老町立白老中学校出身
公立大学法人 滋賀県立大学工学部機械システム工学科 教授

 

MIT研究員時の筆者

 機械工学科の12期卒業の山根です。高専を卒業後、北海道大学工学部機械工学科に編入学し、同大学院博士後期課程を修了したのち、京都大学工学部機械工学科の助手、同講師、滋賀県立大学工学部機械システム工学科助教授、マサチューセッツ工科大学客員研究員を経て、2002年4月より滋賀県立大学工学部教授として務めております。
 北海道大学への編入学は、私にとっては当時の担任であった佐々木啓介先生や卒業研究担当の小谷幸雄先生の勧めが大きかったと思います。当時の北海道大学への編入は、籍を工学部に置きながら、2年の前期は教養部の学生に混じり、心理学、憲法などの授業を履修し、実質は2年後期から学部移行生とともに専門講義を受けるため、他大学の編入よりも1年余計にかかってしまいました。つまり、高専の履修専門科目単位はまったく認定されなかったのです。しかし、かえって専門科目内容がよく理解できたと思います。専門科目は高専のときと同じ内容となるため、レポートなどは他の学生によく相談を受けたことや、設計製図では常に参考にされたことなど、高専編入生の存在は他の学生への良い刺激剤になっていたようでした。
 なお、私の務めている滋賀県立大学には工学部、環境科学部、人間文化学部、人間看護学部があり、もちろん、全学科それぞれ編入学試験を実施しております。また、大学院には高専の専攻科からの受験も可能です。もし、進学や編入学を考えている方がいらっしゃる様でしたら、ご連絡いただければ何かアドバイスできるかと思います。
 北海道を離れ関西に在住して、すでに20年近くになりますが、いっこうに北海道弁はぬけません。今では笑い話ですが、最初、京都に住んだ頃、私鉄の特急に乗車するさいに特急券はどこに売っているのかと探し、結局、特急に乗らなかったのを思い出します。ほとんどの私鉄では特急券など不要なことを知らない北海道人にはよくわからなかったと言うのが本音です。また、電車の中で話をしている人が、いわゆる“お笑い”芸人のような口調で話しているように感じました。私の家庭では、北海道弁(自分)、高知弁(妻)、彦根弁(子どもたち)が飛び交っており、トリリンガル状態です。
 私が現在住んでいる琵琶湖の湖岸にある彦根市は、関ヶ原の合戦で徳川側の先陣を務めた井伊直政公が築いた彦根藩35万石の城下町です。のちに彦根藩十三代藩主である大老井伊直弼が桜田門外の変で暗殺されたことはご存じの方も多いかと思います。来年で築城400年を迎える国宝の彦根城天守閣(写真)が古城として現存しており、私の務める大学からも眺めることができます。彦根城は、TV番組の時代劇などでよく使われるところで、姫路城と並ぶ名城でもあります。滋賀県は、となりに京都があり、また戦国時代の歴史によく登場するところで、姉川の合戦、織田信長の安土城、羽柴秀吉の長浜城(のちに山内一豊の居城)、賎ヶ岳の合戦など、日本史を学ぶには事欠くことはないところです。
 また、琵琶湖は、日本の縮図とも言われ、山が荒れたり、川を汚染すれば、すぐに琵琶湖の水に影響し、滋賀県のみならず、京都、大阪の飲み水への影響が大きいのです。そのため、他の都道府県に比べて環境への取り組みに熱心な県です。その一貫として私が取り組んでいる廃食油を下水に流さないで「バイオディーゼル」としてディーゼル機関用燃料に変換して使用する研究は、菜の花栽培とともに資源循環型社会システムの形成や、地球温暖化防止、エネルギー問題の解決のための一つの解として注目されるようになりました。
 最後に、何にでもあきらめずにチャレンジする開拓精神は道産子の持ち味であり、これに加えて、どんな立場・環境におかれても柔軟に適応できる能力を学生時代に養っておくことが肝要と思います。

 

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彦根城(撮影:山根氏)

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昭和54年(1979年)高専5年生時の恵庭岳登山
(右側サングラス:筆者、前列左:下村先生、前列右:松尾先生、その後列:中津先生、後から2列左:佐々木先生)

(編者注)
山根浩二氏は東京図書出版会から著書「バイオディーゼル」を出版されました。詳しくは,本校同窓会のページをご覧下さい。
http://www1.tomakomai.or.jp/tnct/book_biodiesel.html