訪問団交流レポート

フィリピン大学生訪問団が来校しました

文系総合学科 准教授 石川希美

■概要

平成22年4月16日(金)、フィリピンからの大学生23名、引率教員2名が本校を訪問しました。21世紀東アジア青少年大交流計画(Japan-East Asia Network of Exchange for Students and Youths, 略称JENESYS Programme)の招聘事業によって来日したもので、今回は、苫小牧市が受け入れることになった訪問団に対する学校・学生交流の部分について本校が協力したものです。
このフィリピン大学生訪問団は、4月13日から4月22日まで日本に滞在。北海道滞在は4月15日から20日までで、その前後は東京都内で他の訪問団と合同のプログラムが組まれています。
phi01phi02JENESYSプログラムは、2007年1月第2回東アジア首脳会議(EAS)において、安倍総理(当時)から、今後5年間にわたりEAS参加国(ASEAN、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランド)を中心に毎年6,000人程度の青少年を日本に招く350億円規模の交流計画を実施するとの表明があり、それを受けて日本政府が設立したプログラムです。昨年度は新型インフルエンザの影響で来日を取りやめたため、一年越しの待ちに待った来日となった訪問団もあったそうです。
本校では、秋山校長の挨拶、山際校長補佐(企画)から高専の概要説明のあと、機械工学実験授業の見学、茶道体験、学生交流などを行いました。

■校内見学

phi03まず、高専という学校を知ってもらうため、機械工学実験I(機械工学科4年)の授業見学を行ないました。実験内容は、水の流量を測定する流体実験、試験片の表面粗さを測定する加工実験、含有炭素量を変えた鋼材の引張実験をおこなって機械的性質を確認する材料実験です。訪問団の学生が皆、工学を専攻しているわけではないのですが、どの学生も実験の様子を興味深そうに見学していました。機械4年は女子学生のいないクラスで、そのことにも驚いた様子でした。
phi04来校時、バスの窓から樽前山を見て、写真を撮りたいとの希望が出たというので、屋外運動場に案内して記念撮影を行ないました。グラウンドの残雪を見て珍しげにはしゃぐ様子に、かえって当方が強い印象を受けました。

 

 

■茶道部の接待

日本文化体験のひとつとして、茶道部の学生たちがお茶のお手前を披露し、訪問団の一人ひとりにお茶と和菓子がふるまわれました。全員今回がはじめての来日で、日本の文化にふれられる機会をとても楽しみにしていたそうです。
意外なことに、後日ホストファミリーを引き受けた方から、「高専でお茶など日本文化体験の機会をもうけていただけて良かった。フィリピンの学生達もとても喜んでいた。」という感想を聞き、良い思い出を提供できたことがわかったのは望外の喜びでした。
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■学生会と交流

phi07学生会執行部を中心とした本校学生による学生交流会を行ないました。本校学生が折り紙と習字とを教えることで国際交流の一助とするとともに、日本文化の一端にも触れるという企画です。訪問学生は18から20歳までの大学生で、本校の学生とほぼ同年齢であったこともあり、一緒に作業をしているうちにすぐに打ち解けていきました。事前に折り鶴の作り方を図解した紙を用意しておきましたが、「手裏剣を作りたい」というリクエストも出て本校の学生が折って見せました。TVアニメーション「NARUTO」を見て興味を持ったとのことで、日本製アニメーションの影響力を再認識させられました。

phi08習字では本校学生が書いたものを手本に、フィリピンの学生にも実際に書いてもらいました。好きな言葉や名前を書いた学生が多かったようです。事前に、受入れを担当する日本国際交流センター(JICE)の方から、訪問学生が日本で友達を作ることを強く希望していると聞いていましたが、実際、とても明るくて積極的な学生が多く、写真撮影やメールアドレス交換なども盛んに行われていました。

 

phi09手を動かしての作業は和気靄々と進められましたが、学生同士の会話に当っては、英語日本語、双方カタコトでのやりとりとなっていました。言葉につまってもどかしく思ったのか、「もっと英語を勉強しなくてはならない」という感想をもった本校学生もおり、JICEコーディネーターからの「正確さにとらわれずどんどん話してみよう」という励ましの言葉が、切実なものに感じられたことでしょう。もっと話したかったという思いのあらわれが、今後の学習活動につながることを期待しています。
交流会の後で、フィリピンの学生たちからお礼として”We Are the World”に乗せてのハンドマイムのパフォーマンスがありました。ハンドマイムは手の動きを組み合わせてさまざまな形や文字を表現するもので、十分な事前練習と協調性とを要します。息の合ったパフォーマンスに、本校学生からも大きな拍手が送られました。

phi12最後に、本校の応援団によるエールを披露しました。学ラン・下駄履き姿の応援は、訪問学生の目にはとても「日本らしい」ものに映ったらしく、応援団の姿を見るなり、カメラを取り出し写真を撮る学生がたくさんいました。別れ際には握手とともに「どうもありがとう」と日本語で礼を言うフィリピンの学生もおり、後日、帰りのバスの中では感興の余りか大騒ぎになったと聞き、迎えた側としても大変うれしく思いました。

 

 

■おわりに

前々日には吹雪となり日程の消化が危ぶまれましたが、当日は晴れて屋外での記念撮影もできました。冠雪の樽前山やグラウンドの残雪に興味を示す訪問学生の様子を見てあらためて、当地の人間には当然の事柄が、来訪者には新鮮な驚きであったり、おもしろいものであったりするのだということを感じました。特にそれが海外での経験であれば、心に強い衝撃となり、長く深い記憶を残すことになるでしょう。これを契機としてフィリピンや本校の学生と言わず、多くの青少年の交流の輪が広まり、友好の絆が深まることを願っています。本校としても、海外との交流の機会があれば、出来る限り協力する所存です。
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