総合人文科学系・総合自然科学系
総合系の特色
目指している学習指導
私たちの周りでは現在、社会構造の変革が進んでいます。また環境問題などグローバルな視野を必要とする重要課題も増えています。本校は技術系の高等教育機関であり専門分野の学問を学ぶことを大きな目的としていますが、同時に幅広い視野を持って新しい時代に柔軟に対応する力をつけることも、もう一つの重要な教育目標です。
国際化が進むこれからの時代に向けて、一般科目では英語や第二外国語などのコミュニケーション能力の強化を目指しています。また、指導要領に縛られない高専教育の利点を生かし、理数系教育にしっかり時間を充てることで科学技術への興味を育て、「理数系離れ」の対極となる新しい教育を目指しています。
近年、技術者には科学技術を正しく使う倫理観が社会から求められています。技術が社会にどのような影響を与えるかを考え、研究・開発の適否を判断する理性と勇気を身につけることが必要です。技術者は技術者である前に1人の人間であるという視点が重要になっています。
私たちは、専門科目を学ぶための基礎作りという役割とともに、良識と幅広い教養を持った素晴らしい人格を形成することが大きな使命であると考えています。
中学生の皆さんへ
一般科目では、皆さんが中学校でも勉強してきた国語・数学・英語・社会・理科や保健体育・芸術などの科目を、高等学校普通科とほぼ同程度の内容から、一部は大学程度の内容までを幅広く教育します。
その特色を紹介しますと、専門科目の基礎となる数学、応用数学、理科(物理、化学、応用物理など)は、実験を積極的に取り入れながら、十分な時間をかけて授業が進められています。語学教育では、実践的な会話練習や最新の機器の利用などにより成果を上げています。また、広いグラウンドや2つの体育館などの恵まれた施設は、体育の授業の他に、運動系クラブの活動の場にもなっています。さらに、高学年では、第2外国語や経済学、法学、哲学などの大学程度の科目を受けることができます。
本校では、一般科目と各専門科目を効果的に組み合わせることによって、広い視野と豊かな人間性を持った人材の育成に努めています。
各科目の紹介
国語
思いを伝える。相手の思いを聞く。考えを練り上げて表現する。表現されたものを読み解いてゆく。いずれも、日々の生活の基本ですが、思うようにゆかない、奥の深いものです。教材文を通して、味わえる、楽しめる力がつくように努めたいと思います。
社会
社会科は現代世界をさまざまな角度から理解してもらうために、1年では地理、2年では歴史、2~3年では公共を教えています。さらに4~5年生では法学、経済学、哲学、歴史学などより高度な授業を展開しています。激動の20世紀がおわり、新しい世紀が始まりました。この世紀は、この世界は一体どこへ行こうとしているのでしょうか。そして、その世紀に生き、その世界に住む私たち人間はなにを考え、どう生きようとしているのでしょうか。社会科は この課題に全力で取り組んでいます。
英語
グローバル化の進展に伴い、工学系の技術者にも、英語の4技能(聞く・話す・読む・書く)が今まで以上に強く求められています。これを受けて本校英語科では、時代の要請に見合った授業の実践に努めるよう、継続的に改善に取り組んでいます。
また本校では、全学生を対象に英検やTOEICなどの外部試験を利用した英語学力試験を実施しています。
知識・技能審査については、英検あるいはTOEICに於いて一定のレベルに達すると、高学年の指定された科目で単位認定が行われる制度があり、多くの学生が申請しています。
教員の研究活動に於いては、各自の専門分野の学会に所属し積極的に研究成果を公表している他、学校団体会員として全国高等専門学校英語教育学会に加入し、高専英語教育の充実化に努めています。
数学
数学は専門科目の基礎教育として位置付けられます。時代に即応した技術者を育成するため、各専門系との連係を保ちながら、常に教育内容の改良と拡充に努めています。
理科
科目として、「物理基礎」、「物理I」、「物理II」、「化学I」、「化学II」、「地学・生物」が開講されています。どの科目の内容も身近な自然界で日常的に起きている現象と関係があります。単に知識を暗記するだけでなく、その知識を自分のものとするためには、自然界での現象を自らすすんで観察・考察してみる必要があります。また、現象の基礎的部分の多くが数学を用いて表現されることについても注目してください。
保健体育
体育の授業では教育課程にとらわれない種目設定を行い、運動が苦手な学生でも気持ちよく汗を 流すことができるように心がけています。また、保健の授業では、将来のエンジニアとして、今日的な健康問題を認識し、これを科学的な視点から正しく分析・判断し、適切に対処できる能力や態度を養うことを目指しています。
応用数学
応用数学は主に第4学年に開設しています。この科目の目的は、一般科目の数学をベースとして、専門分野で必要とされる数理的な問題解決能力を身につけることにあります。数学は多くの数学者の苦闘の歴史によって築かれてきました。授業では、文化としての数学という側面も大事にしたいと考えています。履修する皆さんは、単に計算テクニックを習得するだけでなく、科学や工学の問題に柔軟に対応できる思考力やセンスを磨くよう心がけてください。
応用物理
応用物理は取り付き難い学問と言われています。そして、例え名講義を聴いたり、教科書を読んだりして、理解したような気になっても、いざ問題を解く段階になると、一体どのようにして手をつけて良いのかすら見当のつかないことが多いのです。ごく初歩的な演習問題を別にすれば、法則や公式がそのまま直接当てはまるような現象はほとんどありません。したがって、現象をどう解きほぐして法則や公式とどのように結びつけるか、ということを経験しておかないと、知識だけでは役立ちません。
応用物理の学習で最も大切なことは、ああでもないこうでもないと自分の脳で悩みながら(ここが大切)、自分の手で計算を進めていくことです。そうすることで物理法則を理解し、さらに自分の頭の中に物理的理論体系が構築することができるのです。授業では、その手助けとなるように心がけています。