数理・データサイエンス・AI教育プログラム
苫小牧工業高等専門学校では、令和2年度以降に本科第1学年に入学するすべての学生に対し、リテラシーレベルの数理・データサイエンス・AI教育プログラムを実施しています。
教育プログラムの規則と概要
実施体制
委員会等 | 役割 |
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校長 | 運営責任者 |
教務委員会 | プログラムの改善・進化 |
運営委員会 | プログラムの自己点検・評価 |
実施科目と学修内容
第1学年入学の全学生が履修する以下の科目により、リテラシーレベルの数理・データサイエンス・AI教育プログラムを実施しています。
※表の科目名にWEBシラバスへのリンクがあります。WEBシラバスで授業内容等を確認することができます。
実施科目 | 学修内容(プログラム該当部分のみの抜粋) |
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創造工学Ⅰ | 地域や世界など現在社会で起きている変化(コンピュータの歴史,情報化の進展、デジタル社会、Society5.0等)を概観し、データやAI、および様々な専門分野の技術が関わっていることや、日常生活や社会活動で様々な種類のデータがあることを学ぶ。合わせて、これらの社会変化やデータ、AIや専門技術などが我々の日常生活や社会活動にどのように組み込まれているかを学び、新たな技術革新やサービス展開および日常生活や社会活動に及ぼす影響を考える。指定された専門分野(専門系)についてグループで調査研究を行い、調査結果をパワーポイントにまとめて発表する。当該授業においては、学生が1台ずつノートPC(BYOD)を使ってWeb検索を行ったり、Microsoft365またはLMSを用いてグループで資料の共有を行う等、コンピュータやインターネットを実際に自分たちで体験・利活用しながら学習を行う。種々のデータが広範な分野に応用されていることを学び、これらの技術が様々な専門分野にまたがっていること、およびその組み合わせで生活が豊かになっていることをグループワークにて調査、発表しディスカッションする。 また、様々な業種の30社から約50名の企業技術者を招き、現代社会の問題を学び、その解決に活用する具体的な技術やデータの種類をエンジニアと一緒にグループワークを行う。グループワークを通じて、現代社会の問題を学び、種々のデータが広範な分野に応用されていることを学ぶ。また、これらの技術が様々な専門分野にまたがっていること、およびその組み合わせで生活が豊かになっていることについて考える。 データを扱う際に必要な原則、法規や倫理について学ぶ。日常生活や社会活動における実例などを通して、これらのデータの活用にあたっての留意事項を考慮することが重要であることを学ぶ。北海道警察との連携協定に基づきサイバーセキュリティセミナーを実施する。 データの代表値、ばらつきや表現の仕方を学び、実データを用いた演習によりデータの特徴を捉える方法を学ぶ。データを実問題へ適用し活用するための取り扱い方や分析方法などを学ぶ。データを特徴づける値の定義や取り扱いを学ぶとともに、Excelでのデータの処理方法、関数の扱い方、グラフの作成法を演習し、可視化したデータから特徴を読むことを実習する。また、ダウンロードしたオープンデータを用いてExcelを活用した表作成とグラフ作成の演習を行う。 Pythonのプログラミング演習を行い、プログラミングでドローンを制御し、データを実際に取得する体験をグループワークで取り組む。また、AIロボットを用いて機械学習を体験する。 |
情報技術基礎 | 産業社会と情報技術(データ、AI技術を含む)、産業界における利用例と社会活動に及ぼす影響について考える。情報技術の基礎となる、数値の表現と取扱い、コンピュータネットワーク、データ通信、コンピュータ制御について学ぶ。 情報セキュリティやその技術などを学び、データを守る上での重要事項を学ぶ。情報通信社会、インターネットの進化や産業の変化を外観し、身近なインターネット社会のコミュニケーションやサービスを題材にして、情報データの取り扱い方法、活用方法の留意事項、情報化社会の権利とモラル、情報セキュリティ管理について学ぶ。 データをコンピュータおよびインターネット上で扱うために必要となる数値の表現と取扱いについて学ぶ。また、フローチャートの記述方法を学び、C言語でのプログラミング演習を行う。 |
モデルカリキュラムとの対応
数理・データサイエンス教育拠点コンソーシアムのモデルカリキュラム(リテラシーレベル)と本校の教育プログラム(令和2年度の実績)の対応関係は以下の通りです。
モデルカリキュラム | 学修内容 | 実施科目 |
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1-1. 社会で起きている変化 | 社会で起きている変化を知り、数理・データサイエンス・AIを学ぶことの意義を理解する。AIを活用した新しいビジネス/サービスを知る。 | 創造工学Ⅰ、情報技術基礎 |
1-2. 社会で活用されているデータ | どんなデータが集められ、どう活用されているかを知る。 | 創造工学Ⅰ |
1-3. データ・AIの活用領域 | さまざまな領域でデータ・AIが活用されていることを知る。 | 創造工学Ⅰ |
1-4. データ・AI利活用のための技術 | データ・AIを活用するために使われている技術の概要を知る。 | 創造工学Ⅰ |
1-5. データ・AI利活用の現場 | データ・AIを活用することによって、どのような価値が生まれているかを知る。 | 創造工学Ⅰ |
1-6. データ・AI利活用の最新動向 | データ・AI利活用における最新動向(ビジネスモデル、テクノロジー)を知る。 | 創造工学Ⅰ |
2-1. データを読む | データを適切に読み解く力を養う。 | 創造工学Ⅰ |
2-2. データを説明する | データを適切に説明する力を養う。 | 創造工学Ⅰ |
2-3. データを扱う | データを扱うための力を養う。 | 創造工学Ⅰ |
3-1. データ・AIを扱う上での留意事項 | データ・AIを利活用する上で知っておくべきこと。 | 創造工学Ⅰ、情報技術基礎 |
3-2. データを守る上での留意事項 | データを守る上で知っておくべきこと。 | 創造工学Ⅰ |
4-1. 統計および数理基礎 | 数学基礎および統計基礎を学ぶ。 | 創造工学Ⅰ |
4-2. アルゴリズム基礎 | アルゴリズム基礎を学ぶ。 | 創造工学Ⅰ、情報技術基礎 |
4-3. データ構造とプログラミング基礎 | データ構造とプログラミング基礎を学ぶ。 | 創造工学Ⅰ情報技術基礎 |