学校長挨拶
苫小牧工業高等専門学校のホームページをご覧いただきありがとうございます。
本年度、校長を拝命しました長野克則です。私は苫小牧に生まれ育ち、再び縁に導かれる様に愛する故郷の地に戻って参りました。鮭の稚魚が大海に下り大きく成長し、子孫を残すためにふるさとの川に戻る、私もこの高専で素晴らしい資質を持つ年若い学生たちを立派な技術者に育て社会に送り出すと共に、地域やグローバル社会に貢献出来る様、誠心誠意務めて参る所存ですので応援いただけましたら幸いです。
さて、本校は1964年に設立され、お蔭様で昨年、創立60年を迎えることができました。これもひとえに、OB・学生諸氏、教職員の方々、地域の皆様、苫小牧市内・道内外の本校に関わってこられた多くの皆様のご支援の賜物であると心より感謝申し上げます。
本校の教育理念は、豊かな人間性と自主自律の精神の育成です。技術者に必要な知・徳・体のバランスのとれた成長を促し、社会の発展のために活躍できる人材を育てます。樽前山麓に抱かれた豊かな自然環境の中で、これまで本科卒業生約9千名、専攻科修了生約5百名を輩出してきました。OBの方には親子で本校出身という方も多くおられます。現在、わが校の学生定員は本科200名、専攻科20名です。本科ではまず全学生は創造工学科に属し、学びを通して適性を考え2年進級時に機械、電気・電子、情報科学・工学、応用化学・生物、都市・環境の各系のいずれかに配属され専門分野を身に着けていきます。並行して系共通で次世代起業を目指す人材を育成するフロンティアコースも設けています。寮や高速通学バスも充実しており、学生は苫小牧市内はもとより胆振圏・札幌圏をはじめ全道から来てくれています。
就職・進学状況は非常に良好で、中学卒業生にとって非常に魅力的な進学先の一つである自負しております。本科の卒業生は約2/3が就職、1/3が本校専攻科はじめ有名大学に編入学します。就職先は公務員や製造業・建設業・コンサルタント、そしてITや金融業界など多岐にわたり、各界において高い評価をいただいております。次世代のわが校の評判や評価は現在、そして未来の学生に依りますから、教職員は常に質の高い教育・研究を目指して創意工夫を重ね、様々な新しいチャレンジに取り組んでおります。例えば、道内でもDX・GXの成長をけん引する高度情報専門人材の供給が急務ですが、これを受けて、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」の認定を受けたカリキュラムを創設しました。また、令和8年度からは電気・電子系と情報・工学系を統合し「情報エレクトロニクス系」を設置、高度情報専門人材を輩出します。一昨年から学生が3Dプリンターなど最新機器を自由に使える創造工学工房を開設し、アントレプレナー教育環境を充実させました。同時に、英語教育や国際化にも力をいれています。イングリッシュキャンプなどで国際コミュニケーション力を身に付け、タイ・カセサート大学やニュージーランド・イースタン工科大学への研修など海外経験を積んで貰っています。アジアからの留学生も増加しています。
これからも教職員一同、地域をはじめ様々なステークホルダーの方々と連携してグローバル社会で活躍できる人材育成と研究活動に精勤し、地域と国の発展のために一生懸命取り組んで参りますのでご指導、ご支援を賜ります様、よろしくお願い申し上げます。
第十二代校長 長野 克則