苫小牧工業高等専門学校創造工学科の甲野裕之教授と 福島大学食農学類の尾形慎教授を中心とする研究グループは、カニやエビなどに含まれる天然成分「キチン1)」の小さな断片“N-アセチルキトヘキサオース（GN62)）”を水の中で加温すると、GN6 が自ら規則正しく集まることで細い繊維を形成し、やがて水を含んだゲルになることを世界で初めて明らかにしました。
しかもこのゲルは、温度を下げると元の溶液に戻る性質もあります。また、このゲルの中にタンパク質などの薬剤を含ませると、ゲルの中からゆっくりと薬剤が放出することも明らかになり、薬を体内で安全かつ長く効かせる ドラッグデリバリー材料として有望であることが示されました。
この研究成果は、2025年6月11日付で、化学・材料分野のトップジャーナルである国際学術雑誌『Carbohydrate Polymers』オンライン版に掲載されました
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