苫小牧高専で半導体と半導体産業の“今”を知る特別講義を実施
2025年6月25日(水)、苫小牧工業高等専門学校では、第3学年206名を対象に、半導体産業の最前線を学ぶ特別講義「ゼロから学ぶ半導体と半導体産業」を実施しました。授業は必修科目「創造工学III」の一環として行われ、株式会社産業タイムズ社より、半導体と半導体の社会動向・地政学に精通した講師をお招きし、「半導体って何?」という基本から、「なぜ今、世界が半導体に注目するのか?」という核心まで、多角的に学ぶ貴重な機会となりました。また、本講義は、北海道半導体人材育成等推進協議会[公益財団法人 北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)、経済産業省北海道経済産業局]のご協力により実現しました。
スマホの中から世界市場まで ――“半導体”の全体像に迫る
講義では、身近なスマートフォンの中にある半導体の構成や、ケイ素(シリコン)から回路が作られる製造工程(前工程・後工程)を、図解と具体例で丁寧に解説。さらに、半導体と半導体デバイスの違い、半導体メーカーのビジネスモデル、最新の半導体の3次元構造と微細化の進化など、専門知識がなくても理解できるよう工夫された内容で、学生たちは技術と社会との関係を実感しました。
半導体と日本の未来・北海道の未来 ── 産業の裏側から学ぶ本質
講義後半では、半導体産業の歴史と日本の立ち位置、世界市場の構造、装置・材料・部品を支えるサプライチェーン、巨額の工場投資の理由、そして北海道における半導体産業の可能性にまで話が及びました。「なぜ各国が半導体に国家レベルで動いているのか?」「日本企業が持つ強みとは何か?」「どんな仕事があり、どんな未来が開けているのか?」といった問いに対して、学生たちはリアルな答えを得ることができました。
未来を創るエンジニアへ──“基礎”から世界とつながる力を育む
テクノロジーの根幹を支える「半導体」の理解なくして、未来のものづくりは語れません。今回の講義は、単なる知識の習得を超え、グローバルな視点で技術を捉える力を養う第一歩となりました。苫小牧高専は、実社会とつながる学びを通じて、次代を担う技術者の育成を進めています。
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2025.06.30
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