苫小牧工業高等専門学校

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お知らせ
2026.01.23
お知らせ

新年のご挨拶(校長より)

2026年、新年のお慶びを申し上げます。

21世紀もSecond Quarter に入りました。世間ではあまり話題になっていませんが、今から百年前の1926年は元号が大正から昭和に変わった年です。かくいう私も昭和生まれです。子供のころの漫画やテレビアニメは手塚治虫の鉄腕アトムに代表される極小ながら恒久的に大パワーを産み出すことができるエネルギー源を内蔵し感情を持ち自ら考えて動く人型ロボットが我々人間と共同して難事件に立ち向かい次々解決する、そんな未来の世界を現したものでした。ここ数年、この昭和のアニメを彷彿させる風景が実際に出現してきているのを身近に感じるようになってきました。第四次産業革命です。これはAIやIoT、ビッグデータなどのデジタル技術による技術革新を指しますが、衝撃的だったのは2022年11月に米OpenAI社が生成AI、“ChatGPT“を発表したことでした。生成AIは学習成果として新たなコンテンツを創造するものですが、スマホという“掌コンピューター”さえあれば数学やプログラミング知識が無くとも誰でもいつでもどこでも無料で利用することができます。それから3年、生成AIを巡る技術開発は飛躍的に発展し続け、自動応答や自動運転など人間に代わる業務代行(省力化、効率化)に留まらず、コンテンツ制作やアイデアの創出など高度な知的作業をこなせるレベルにまで進化しています。まさに我々の労働や仕事、産業や社会構造、さらには人間の営みや幸福といった概念までも根本から変わろうとしています。これこそが第四次産業革命に続く第五次産業革命(インダストリー5.0)の本質とも言えます。21世紀のSecond Quarterは技術と人間が協働し「人間らしさ」、「幸福」、「共感」を中心に据え、心と体の幸福を経済の中心にした“ウェルビーイング・エコノミー”社会になっていくことでしょう。

さて、我が校は昨年度、開設60周年を祝うとともに、DX人材育成、半導体人材育成、グローバル人材育成と様々な新たな教育に取り組み始めました。「高度情報人材の確保に向けた機能強化に係る支援事業/本校 DX・GXなどの成長をけん引する高度情報専門人材の育成・輩出」事業ですが、全学生を対象にしたAI・データサイエンスの講義については全国の高専に先駆けて第3学年修了時(全学生 毎年度200名)に文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム・応用基礎力レベル」の認定を受けて実施しています。講義では本校の先生方に加え実業界からも講師陣を迎え様々なDX・GXの取り組みを紹介していただき、学生も能動的にビジネスプランの創出に挑戦し368名の学生が71件のビジネスプランを応募するなどアントレプレナーシップ教育も同時に推進しています。これらの取り組みが評価され、日本政策金融公庫主催の第13回高校生ビジネスプラン・グランプリにおいて「学校賞」を受賞しました。一方、本年4月の新年度からは電気電子系と情報・工学系を統合して新たに定員80名の情報エレクトロニクス系を創設し、現在の1学科5専門系から1学科4専門系に再編して教育・研究を行っていきます。半導体教育に関しても北海道内の10大学・4高専が連携して共通の半導体教育プログラムを実施し始めました。特に、道内4高専は共同で15回分の講義コンテンツを作成し、オンデマンドで遠隔受講が可能な「北海道半導体みらい論」を開講しました。また、道内各地で出前授業を実施するなど多方面で新しい取り組みを展開しています。昨年10月1日には2名の新しい教員、電気電子系の 谷口 美緒 准教授、情報科学・工学系の 大川 創 助教を迎え、新年度からの情報エレクトロニクス系においてフレッシュな教育と研究の実践、そして学校運営への貢献も期待されます。

最後となりましたが、学生諸君、教職員諸氏、そして卒業生の皆様、本校を支援していただいているすべての方々におかれまして、幸多き輝ける一年となりますことを心よりご祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

校長 長野 克則