茨城大学学術研究院応用理工学野の山内紀子准教授、茨城大学大学院理工学研究科博士前期課程(研究当時)の永井智也氏らのグループは、福島大学農学群食農学類の尾形慎教授のグループおよび苫小牧工業高等専門学校創造工学科の甲野裕之教授と共同で、目的タンパク質を選んで吸着できる、粒径約200 nmの大きさのそろった微粒子を合成するプロセスを開発しました。本研究では、まず、不要なタンパク質の吸着を抑えられるポリマー粒子を水中で合成しました。さらに、粒子表面に正電荷(+)をもたせることで、負電荷(-)をもつ糖鎖化合物と引き合わせ、水中で混合するだけで簡便に粒子表面に固定化できる手法を構築しました。本手法を用いて3種類の糖鎖化合物をそれぞれ粒子表面に固定化したところ、それぞれの糖鎖が認識する特定のタンパク質を吸着し、それ以外のタンパク質はほとんど吸着しないことを確認しました。
糖鎖は、その種類に応じてさまざまなウイルス、細菌、タンパク質を特異的に認識する生体分子です。そのため、本プロセスを応用することで、標的に応じて粒子表面の糖鎖を変更し、多様なウイルスや細菌の検出に利用できる新たな検出技術へと発展する可能性があります。将来的には、さまざまな感染症に対応できる検出・検査基盤として、感染症の早期発見と感染拡大の防止への貢献が期待されます。
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